【PC】insider previewを入れてUbuntu16.04を試す

(みなさん・・・聞こえ・・ますか・・・・私はいま・・・・・・Windows10 Insider Preview・・・・・・・Build 15025から・・語りかけて・・・・いま・・す)

というわけで、PCにWindows10 Insider Previewを入れてみました。2017年2月4日段階での最新がBuild15025です。ほとんど使っていないHDDにパーティション切ってインストールしています。なんでこんなことをしたのか、その理由から語り起こしましょう。

ことの発端

wanko-sato.hatenablog.com

先週書いた記事で、jumanKNPの組み合わせが非常に強力だ、という感じのことを最後の方で書いています。jumanは日本語の形態素解析器、KNPは構文解析器(というかすでに汎用日本語分析器になっているような気もしますが)です。いずれも京大の黒橋・河原研究室で開発されたものです。
jumanを改良し、さらに精度の高い形態素解析が可能になったのが、同研究室で開発されたjuman++です。これがなかなか評判がよろしいようで。

qiita.com

超期待。

ところが、残念なことに、jumanのようにWindows版が提供されていません。でもまぁ、jumanとKNPでも十分なことはできるし・・・と半ばあきらめかけていたときのことです。


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     _ (m) _ピコーン
        |ミ|
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        ノ´⌒ヽ,   
    γ⌒´      ヽ,  
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    !゙    (__人_)  |   
    |     |┬{   |   < 余計なこと閃いた! 
   \    `ー'  /
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あれをこうすればできるんじゃね?

wanko-sato.hatenablog.com

この記事を書くにあたって、system関数を使えばRから外部コマンドとしてMeCabでもjumanでも呼び出せるようにできることはすでに分かっていました。
また、Windows10からUbuntuが使えることもすでに知っていました。
ということは・・・

もしかして、Windows10上のUbuntuにjuman++をインストールして、system関数で呼び出せばRからでもjuman++が使えるんじゃね?

と思い至ったわけです。

ところがどっこい

問題があったわけです。

問題その壱

現在の通常版Windows10で使えるUbuntuのバージョンが14.04でございまして。
自分のやり方が悪かったのかもしれないのですが、boostを1.57にアップデートできなかったのです。
juman++の要件として、

  • gcc (4.9 以降)
  • Boost C++ Libraries (1.57 以降)

の二件が上げらています。Ubuntu14.04でgcc,boostを入れると、gccは4.8、boostは1.55で入ってしまいます。gccはアップデートできたのですが、boostの方がうまくアップデートできず、juman++のビルドの最後の方で失敗してしまっていました。

問題その弐

まぁ、それはとりあえず後でちゃんと考えるとして、先にRからUbuntuのコマンドを実行できるか試してみよう、と思ったのです。ところがですね。

stackoverflow.com

ここにあるように、Build14951以降でないとできないそうなのです。実際、試しにやってみたらstatus 65535のエラーが出てしまいまして。

qiita.com

こちらの追記にもあるように、春の大型アップデートでUbuntu16.04が使えるようになる見通しとのこと。なんだけれども、さすがにちょっと試すのにそんなに待ってられるかー!、ということで、Windows10 Insider Previewを入れようと思い立ったのでした。

簡単な手順

Insider Previewを使うのにはたしかMicrosoftアカウントだったかを作らなければいけなかったはずなので、まだの方はまずそこからどうぞ。

Insider Previewをダウンロードする。

Download Windows 10 Insider Preview Advanced

こちらからisoをダウンロードしてください。

インストールメディアを作る

DVDでも良いのですが、自分はUSBメモリをインストールメディアにしました。その際、フォーマットをFAT32ではなくNTFSでするようにしてください。isoは4GB以上あるので、FAT32ではコピーできません。

USBメモリにisoが保存できない・・・ : にわタコのblog

USBにisoをコピーしたら、BIOSを起動してUSBメモリを優先起動ディスクに設定、再起動します。

その前にパーティションを切る

お使いのPCがテスト用だったり「漢はバックアップなど用意しないものだ!」という思想の持主以外は、パーティションを切るなりInsider Preview用の外付けハードを用意するなりした方が良いでしょう。

インストールする

USBから起動したら、あとは画面の指示に従ってインストールするだけです。くれぐれもインストール先を間違えないよう。もっと詳しく手順を知りたい方は

weekly.ascii.jp

こちらからも確認できます。BIOSの立ち上げ方はマシンによっても異なるかと思いますので、メーカーサイトなりなんなりで確認してください。

確認してみる。

Insider Previewのインストールが完了し、bash on Windowsがいけるようになったら、

cat /etc/lsb-release

で早速Ubuntuのバージョンを確かめてみましょう。

DISTRIB_ID=Ubuntu
DISTRIB_RELEASE=16.04
DISTRIB_CODENAME=xenial
DISTRIB_DESCRIPTION="Ubuntu 16.04.1 LTS"

はい、無事にUbuntu16.04が使えるようになりました!
ただし、このままの状態だとgccもなにも入っていないので、

sudo apt install checkinstall auto-apt ccache

で必要なパッケージをインストールし、

sudo auto-apt update

で最新に更新しておきます。で、

gcc --version

gccのバージョンを確認すると、

gcc (Ubuntu 5.4.0-6ubuntu1~16.04.4) 5.4.0 20160609
Copyright (C) 2015 Free Software Foundation, Inc.

と、gccは5.4.0になっており、juman++のビルドに必要な要件をひとつ、きちんと満たすことができました!

というわけで、juman++のインストールは次回に続きます。

追記:2017年2月5日

wanko-sato.hatenablog.com

次回に続きます、とか言っておきながら、結局juman++のインストールはまだうまくいっていません。
解決方法がいまのところわからないです。